財産分与で何が分けられる?離婚で対象になるもの・ならないもの(住宅ローン・退職金・借金)

ローン返済表と通帳を前に、持ち家のことを考え込む30〜40代男性の手元
全部を取られるわけじゃない。まず「何が対象か」を知ると、不安は小さくなる。

妻に離婚を切り出されてから、頭の奥でずっと鳴っているのが、これじゃないか。「貯金も、家も、退職金も、全部取られるんじゃないか」。自分が必死に働いて積み上げてきたものが、根こそぎ持っていかれる。そんな不安に、夜中にスマホで「財産分与 対象」と検索しては、ますます怖くなる。

この記事は、そんなお前のための整理だ。これから協議に入る前に、まず「何が分ける対象で、何が対象じゃないか」の地図を持っておこう。

先に、いちばん大事なことを言う。財産分与で分けるのは、結婚してから二人で築いた分(共有財産)だけだ。 独身時代に貯めた金や、親から相続した財産は、原則として対象に入らない。つまり「全部取られる」わけじゃない。とはいえ、二人で築いた分は、きちんと分ける対象になる。そこは目をそらさず向き合おう。何が対象かを知るだけで、漠然とした恐怖は、対処できる不安に変わる。落ち着いて、順番に見ていこう。

※この記事は、財産分与の「対象になるもの・ならないもの」を整理する話だ。取り分の割合や「いくら」という金額は、個別の事情で決まる法律の領域なので、ここでは存在を伝えて、判断は専門家・家庭裁判所に委ねる(このサイトでは無理に踏み込まない)。

まず結論:分けるのは「二人で築いた分」だけ

時間も気力もないなら、ここだけでいい。

  • 対象になるのは、結婚後に夫婦で築いた財産(共有財産)。預貯金、持ち家、車、株や投信、保険の解約返戻金、退職金など。名義は関係ない(お前名義の貯金や家でも対象)。
  • 対象にならないのは、特有財産。結婚前からの財産、親からの相続・贈与、別居した後に築いた財産。
  • 住宅ローンが残る家も対象にできるが、残債が価値を上回る(オーバーローン)なら、その家は単独では分ける対象にならない[出典3]。
  • 退職金は、将来受け取れる見込みが高ければ、結婚期間に対応する分が対象になり得る[出典2]。
  • 借金は、ギャンブルなど個人的なものは対象外。生活や共有財産のための借金は、清算で考慮される。
  • 金額・取り分の割合は、ここでは扱わない。協議で決まらなければ家庭裁判所、必要なら弁護士へ。

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「対象になるもの」と「ならないもの」の地図

財産分与は、結婚生活の中で夫婦が協力して築いた財産を分ける手続きだ(民法768条)。逆に、夫婦の協力とは関係なくできた一方だけの財産は、分けない(民法762条の特有財産)[出典4]。まずは全体像を、この対比で押さえてくれ。

財産分与の対象(共有財産)と対象外(特有財産)の対比。対象=結婚後に二人で築いた預貯金・持ち家・車・有価証券・保険の解約返戻金・退職金など(名義は不問)。対象外=結婚前からの財産・相続や贈与で得た財産・別居後に築いた財産

ここで何度でも言っておきたいのは、名義は関係ないということだ。「俺名義の口座だから、これは渡さなくていい」とはならない。逆に「妻名義の貯金だから自分には関係ない」でもない。結婚後に二人の生活の中で築いたものなら、名義がどちらでも、共有財産として分ける対象になる。給料を稼いだのが主に自分でも、その間に家庭を支えた相手の貢献があったとみなされる、という考え方だ。

対象になるもの(共有財産)

結論から言うと、結婚後に二人で築いたものは、基本的にぜんぶ対象だ。結婚してから別居(または離婚)までの間に、夫婦が協力して築いた財産が、これにあたる。代表的なものを挙げる。

  • 預貯金(給与振込口座、定期、へそくり的な口座も含む)
  • 不動産(持ち家。土地・建物)
  • 自動車
  • 有価証券(株式、投資信託など)
  • 生命保険・学資保険などの解約返戻金(その時点で解約したら戻る金額)
  • 退職金(条件あり。後で詳しく述べる)
  • 家財道具(高価な家具・家電など)

預貯金の中でも、ネット銀行・ネット証券は通帳がなく、本人以外は存在に気づきにくい。「あったことを忘れていた」では、後で揉めるもとになる。自分の側のものは、引き落とし明細などから漏れなく把握しておくといい。財産の棚卸しのやり方は、こちらにまとめてある。→ お金、まず何を守る?離婚直後の棚卸しと財産分与の攻防

対象にならないもの(特有財産)

結論から言うと、夫婦の協力と関係なくできた一方だけの財産は、分けない。これを特有財産という。具体的にはこの3つだ。

  • 結婚前から持っていた財産(独身時代の貯金、結婚前に買った物)
  • 親などから相続・贈与された財産(遺産、親からの援助で得たものなど)
  • 別居した後に、自分の収入で築いた財産

ここは、お前を少し安心させる話だ。独身時代にコツコツ貯めた金や、親から受け継いだものまで持っていかれる、ということは原則ない。

ただし、注意が一つ。独身時代の貯金が、結婚後の生活費と同じ口座で混ざってしまうと、「これは特有財産だ」と示すのが難しくなる。 どこまでが結婚前の分か分からなくなるからだ。心当たりがあるなら、結婚時点の残高が分かる古い記録(通帳の記帳など)を、分かるうちに探しておくといい。

家族のパターン別:うちの場合はどうなる

「うちは妻が専業主婦で、稼いでいるのは自分だけ。それでも分ける対象になるのか」。よくある疑問だ。結論から言うと、収入を稼いだのが誰かは、関係ない。 代表的なパターンで見てみよう。

家族パターン別の共有財産の考え方。専業主婦世帯でも夫名義の預貯金・退職金は共有財産。共働きも双方の収入で築いた分が共有財産。独身時代の貯金や相続財産はどのパターンでも特有財産で対象外

  • 妻が専業主婦・子あり/自分が全額を稼いでいる:自分名義の預貯金も、将来の退職金も、結婚後に築いた分は共有財産(対象)だ。家事・育児で家庭を回した相手の支えがあったから働けた、とみなす考え方による。名義が自分でも、稼ぎ手が自分でも、結論は変わらない。
  • 共働き:それぞれの収入で築いた財産(双方名義の預貯金・車・有価証券など)が共有財産になる。「自分の口座は自分のもの」とはならない。
  • どのパターンでも対象外:結婚前から各自が持っていた貯金、親から相続・贈与された財産、別居後に自分で築いた分は、特有財産として対象に入らない。

つまり、ポイントは「誰が稼いだか・誰の名義か」ではなく、「結婚後に、二人の生活の中で築いたものか」だ。ここさえ押さえれば、たいていの財産は仕分けできる。

【お金の不安の整理】「取られる」より「分ける」と捉え直す。 「財産を取られる」という言葉で考えると、相手が敵に見えて、心がささくれ立ちます。けれど制度の建前は、奪い合いではなく、二人で築いたものを清算して、それぞれの再出発の元手にする、というものです。捉え方を「取られる」から「二人の分を分ける」に変えるだけで、必要以上の恐怖や、先回りした攻撃的な行動を、少し抑えられます。もちろん、納得いかない点は遠慮なく主張していい。冷静でいることと、言うべきを言うことは、両立します。

住宅ローンが残っている家は、どうなる

持ち家がある人にとって、ここがいちばんの心配どころだろう。結論から言うと、ローンが残っている家も財産分与の対象にできる。 ただし、ローン残高と家の価値の大小で、扱いが変わる[出典3]。

住宅ローンが残る家の財産分与の考え方。家の価値が残債を上回る(アンダーローン)なら、その差額がプラスの財産として対象。残債が価値を上回る(オーバーローン)なら家の価値はゼロ扱いで、それ単独では対象にならず、他のプラスの財産と合わせて個別に調整

  • 家の価値がローン残高を上回る場合(アンダーローン):その差額(売ったらいくら残るか)が、プラスの財産として分ける対象になる。
  • ローン残高が家の価値を上回る場合(オーバーローン):その家の価値はゼロと扱われ、それだけでは分ける対象にならない。他の預貯金などプラスの財産と合わせて、個別の事情に応じて解決していくことになる[出典3]。

そして、ここが見落とされがちな落とし穴だ。家の名義を変えても、銀行に対する返済義務(債務者)は、自動では変わらない。 法テラスも注意を促している。たとえば、離婚後に自分が家を出て相手と子が住み続ける形にしても、ローンの債務者が自分のままだと、返済を続ける責任は自分に残る。逆に相手が住む家のローンを相手に任せたつもりでも、相手が滞れば、抵当権が実行されて競売になるおそれがある[出典3]。家とローンは、「住む人」と「払う人」と「名義」がずれると一気にややこしくなる。ここは自己判断で約束せず、早めに専門家へ相談してくれ。

持ち家を売るか、どちらかが住み続けるか、ペアローンや連帯保証はどうなるか。これらは金額と契約が絡む実務なので、銀行と弁護士に確認しながら進めるのが安全だ。

退職金は、対象になるのか

「まだもらってもいない退職金まで、対象になるのか」。これも不安だよな。

結論は、将来、退職金を確実に受け取れると見込まれる場合には、対象になり得るだ[出典2]。退職金は、在職中の働きに対する「給料の後払い」という性質があるとされる。その間、家庭を支えた相手の協力があったからこそ受け取れる、と考えられるためだ。対象になる場合も、分けるのは退職金の全額ではなく、結婚していた期間に対応する部分が基本になる。

ただし、「確実に受け取れる見込みが高いか」は、勤続年数や退職までの期間、勤め先の状況などで変わる。定年がかなり先の場合の扱いなど、判断が難しいケースもある。だから「自分の退職金がどう扱われるか」は、一般論で決めつけず、専門家に確認するのが確実だ。

借金は、相手に分けられるのか

「俺の借金も、半分背負ってもらえるのか」。あるいは逆に「相手の借金まで、背負わされるのか」。ここを整理しておこう。

借金(マイナス)の扱い。ギャンブル・個人的な浪費など一方の都合でつくった借金は対象外(相手に背負わせない)。住宅ローン・教育費など夫婦の生活や共有財産のための借金は、清算の中で考慮される

  • ギャンブル・個人的な浪費などでつくった借金:一方の都合による借金は、対象外だ。相手に分けて背負わせることはできないし、逆に背負わされることもない。
  • 夫婦の生活や共有財産のための借金(住宅ローン、教育費、生活のための借入など):これは清算の中で考慮される。

大事なのは、財産分与は基本的にプラスの財産を分ける制度で、「借金そのものを半分こ」する手続きではないということ。マイナスが大きいケースでは、プラスの財産からその分を差し引いて調整する、という考え方で整理されることが多い。借金の扱いは事情で大きく変わるので、込み入っていれば専門家に相談してくれ。

なお、財産を渡す・受け取るときの税金(不動産を渡すと譲渡所得税がかかることがある等)と借金の扱いは、こちらにもまとめてある。→ 財産分与に税金はかかる?借金も分ける?

⚠️ 【財産メモの保存先に注意】 自分の財産や借金を書き出すのはいいことだが、そのメモやスクショを、家族と共有している端末・共有アルバム・共有クラウド・共有のメモアプリに置かないこと。同居中だと、相手に「財産を調べている」と気づかれ、関係が悪化したり資料を動かされたりすることがある。自分だけがアクセスできる場所に保存し、共用端末を使うなら履歴をリセットするか、ブラウザのシークレットモードを使うと安心だ。なお、相手名義の口座やスマホに無断でログイン・閲覧するのは避けること(後でかえって不利になることがある)。

年金分割は、財産分与とは「別物」

ここはよく混同されるので、一言だけ。年金分割は、財産分与とは別の制度だ。 財産分与が「夫婦で築いた財産を分ける」ものなのに対し、年金分割は「結婚していた期間の厚生年金の納付記録を分ける」もの。退職金とも別の話だ。

つまり、財産分与の対象財産を数えるときに、年金を二重に数える必要はない。年金分割には別の手続きと期限(離婚後の請求期限)があるので、これは年金の手続きとしてあらためて押さえてくれ。→ 離婚後の年金の手続き

【編集部の実体験】 俺も切り出された当初は、「家も貯金も退職金も全部持っていかれる」と本気で怯えていた。でも調べていくうちに、対象は二人で築いた分で、独身時代の貯金や親からの援助分は別だと分かって、少し肩の力が抜けた。怖さの大半は「分からない」から来ていた。何が対象かの地図さえ持てば、あとは一つずつ確認していくだけだった。

数字でイメージする「何が対象になるか」

言葉だけだと分かりにくいので、仮の数字で見てみよう。ここで出すのは「どの財産が、いくらの正味価値で対象に入るか」のイメージで、誰がいくら受け取るか(取り分)の計算ではない。 数字はすべて、考え方を示すための仮のものだ。

まず大前提を一つ。財産の価値は、買った金額ではなく「今の価値(時価)」で見る。ローンがあれば、その今の価値から残債を引いた正味が、対象になる。だから「いくらで買ったか」は基本的に評価には使わない。一般的な目安として、不動産や車は離婚時点の時価、預貯金は別居時(夫婦の協力が終わった時点)の残高で考える、とされている(細かな基準時は事情で変わるので、最終的には専門家へ)。

  • 車(ローンあり):結婚後に買った車。買ったときは300万円だが、評価に使うのは買値ではなく「今の価値」だ。今の売却見込みが250万円、ローン残債が100万円なら、差額の150万円ぶんが、プラスの共有財産として対象になるイメージ(=対象に入る正味の価値。これを二人でどう分けるか=取り分は、別の話)。
  • 持ち家(アンダーローン):今売れば2,500万円、ローン残債が2,000万円。差額の500万円ぶんが対象
  • 持ち家(オーバーローン):今売れば1,800万円、ローン残債が2,300万円。残債が価値を上回るので、この家の価値はゼロ扱い。家それ単独では対象にならず、他の預貯金などと合わせて調整する。
  • 預貯金+独身時代の分:今ある貯金が500万円。そのうち、結婚前から持っていた100万円分だと示せれば、その100万円は特有財産(対象外)。残りの400万円が対象になるイメージ。

ここまでは、あくまで「何が、どれだけの正味価値で対象財産になるか」の話だ。そこから先、それを二人でどう分けるか(割合)や、最終的にいくら渡す・受け取るかは、協議や家庭裁判所、弁護士で決める領域になる。ネットで見かける「相場」を、自分のケースにそのまま当てはめないこと。

「いくら・何割」を、この記事で出さない理由

ここまで読んで、「で、結局いくらもらえる(払う)んだ」と思っただろう。気持ちは分かる。でも、その金額や割合は、夫婦それぞれの財産・事情・話し合いで決まる、法律と個別判断の領域だ。ネットで拾った「相場」や「○割」を自分のケースに当てはめると、かえって判断を誤る。だからこのサイトでは、対象の範囲までを整理し、金額の計算には踏み込まない。

進め方は、現実的な順番がある。

  1. まず協議(話し合い)。何が対象財産かをお互いに出し合い、分け方を話し合う。決まったことは口約束で終わらせず、離婚協議書や公正証書など書面に残す。
  2. まとまらない、直接話すのがつらいなら、家庭裁判所の調停。調停委員が間に入り、相手と顔を合わせずに進められる。
  3. それでも決まらなければ、審判で裁判所が判断する。

弁護士は、「協議で話にならない」「本気で揉めそう」「相手が弁護士を立てた」「不安で動けない」といったときの選択肢だ。

相談先はどこから?弁護士に頼むと、いくら?

「弁護士=高い」と身構えて動けない人は多い。でも、いきなり大金がかかるわけじゃない。まずは無料の相談から始められる。

  • 法テラス(日本司法支援センター):国が設立した、法的トラブルの総合案内所だ。収入などの要件を満たせば、弁護士との無料法律相談や、弁護士費用の立替(いったん法テラスが払い、あとから分割で返す)が使える。「自分が使えるか」を聞くだけでもいいので、いちばん低いハードルの入口だ。サポートダイヤル 0570-078374(平日9〜21時/土9〜17時)[出典5]。→ 法テラス公式サイト
  • 自治体の無料法律相談:市区町村が定期的に開いている(予約制・時間制のことが多い)。
  • 弁護士事務所の初回無料相談:離婚分野は、初回30〜60分を無料にしている事務所も増えている。

費用の目安。 弁護士費用は、おおまかに 相談料・着手金(依頼するとき)・報酬金(解決できたとき)・実費 に分かれる。金額は事務所や揉め具合で幅が大きいので、依頼前に必ず見積もりを取ってくれ。公的な目安として、法テラスの立替制度を使う場合の費用は次のとおり(収入等の要件を満たす場合/2026年時点)[出典6]。

  • 離婚(示談交渉):着手金 66,000〜110,000円+実費 20,000円
  • 離婚(調停):着手金 88,000〜132,000円+実費 20,000円
  • 報酬金:慰謝料や養育費などお金が得られた場合、得られた額の1割+税が目安

一般の(法テラスを使わない)弁護士費用は、これより高くなることが多く、相談料も30分5,000円程度が一つの目安だ(初回無料の事務所も多い)。「高そうで動けない」なら、まずは法テラスに相談してみるのが現実的な入口になる。

財産分与の請求には期限がある。2026年4月施行の民法改正で、原則2年から5年に延長された(2026年4月1日以降に離婚した場合に適用)[出典1]。延びたとはいえ、時間がたつほど財産の把握も話し合いも難しくなるので、早めの整理が安全だ。

整理に、AIを使ってもいい

「何が対象で、何が対象外か、自分のケースで整理したい」というとき、AI(ChatGPTなど)に壁打ち相手になってもらうのも手だ。下の文をコピーして〔 〕を変えるだけでいい。

私は離婚を考えている〔40代〕の会社員です。離婚の財産分与について、
一般論として「対象になる財産(共有財産)」と「対象にならない財産(特有財産)」の
考え方を、住宅ローンが残る持ち家・退職金・借金の扱いを含めて、整理して教えてください。
そのうえで、自分が事前に把握・確認しておくとよい項目をリストにしてください。
金額や取り分の割合は出さず、最終的に弁護士や家庭裁判所で確認すべき点も教えてください。

※AIの答えは一般的な目安だ。具体的な金額・割合の計算には使わないこと。そして、口座番号・残高・家族の個人情報など、プライベートな情報はAIに入力しないこと。最終的な判断は、必ず公的な窓口・専門家で確認してくれ。

まとめ:全部取られるわけじゃない。まず「対象」を知る

  • 分けるのは結婚後に二人で築いた財産(共有財産)だけ。名義は関係ない
  • 独身時代の貯金・相続/贈与・別居後の財産は対象外(特有財産)
  • 独身時代の貯金は生活費と混ぜると示しにくくなる。記録を残す
  • 住宅ローンの家も対象にできるが、オーバーローンなら単独では対象外。名義変更しても返済義務は残ることに注意[出典3]
  • 退職金は、受け取り見込みが高ければ結婚期間分が対象になり得る[出典2]
  • 個人的な借金は対象外。生活・共有財産のための借金は清算で考慮
  • 年金分割は財産分与とは別制度
  • 金額・割合は専門家・家庭裁判所へ。請求期限は原則5年に延長(2026年4月以降の離婚)[出典1]

怖さの正体は、たいてい「分からない」ことだ。対象の地図さえ持てば、あとは一つずつ確認していける。今日できるのは、自分の財産を、分かる範囲で書き出してみることからでいい。

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よくある質問

Q. 財産分与の対象になるのは、どんな財産? A. 結婚後に夫婦で築いた財産(共有財産)です。預貯金、持ち家、車、株や投信、保険の解約返戻金、条件を満たす退職金など。名義は関係なく、あなた名義のものでも結婚後に築いたなら対象です。結婚前からの財産や相続・贈与で得た財産は対象になりません。

Q. 住宅ローンが残っている家はどうなる? A. 対象にできます。ただし残債が価値を上回るオーバーローンなら、その家の価値はゼロ扱いで、それ単独では分ける対象になりません。他のプラスの財産と合わせて調整します。名義を変えても銀行への返済義務は残ることが多いので、早めに専門家へ。

Q. 退職金や借金も対象になる? A. 退職金は、将来確実に受け取れる見込みが高ければ、結婚期間に対応する分が対象になり得ます。借金は、ギャンブルなど個人的なものは対象外で、住宅ローンなど生活・共有財産のための借金は清算で考慮されます。

Q. 妻が専業主婦でも対象になる?自分だけが稼いできたのに。 A. なります。稼いだのが誰か・名義がどちらかは関係ありません。あなた名義の貯金や退職金でも、結婚後に築いた分は共有財産として対象です。家庭を支えた相手の貢献があったから働けた、とみなす考え方です。ただし結婚前からの貯金や相続・贈与された財産は、どのパターンでも対象外。取り分の割合・金額は弁護士・家庭裁判所へ。

Q. いくらもらえる(払う)のか知りたい。 A. 金額や取り分の割合は、夫婦それぞれの財産と事情で決まる法律の領域です。この記事では対象の範囲までを整理し、金額は扱いません。まず協議、まとまらなければ家庭裁判所の調停、必要なら弁護士・法テラスへ。


この記事について(運営者・出典・ご注意)

  • 運営:オレタチ編集部(運営者情報編集方針)。家計を妻任せにしていた当事者の視点も交え、男性向けに中立に整理しています。
  • 出典一覧(一次ソース・公的情報)
    1. 法務省(民事局)「民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)」(令和8年=2026年4月1日施行。財産分与の請求期間が原則2年→5年に伸長、考慮要素の明確化等)。施行日・改正の事実は同ページで確認、「5年」等の具体値は同ページ掲載の改正概要資料による。経過措置により、5年は2026年4月1日以降に離婚した場合に適用。 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00357.html 。2026-07-01確認
    2. 法テラス(日本司法支援センター)よくある相談「将来受け取る予定の退職金(退職手当)は、財産分与の対象になりますか?」(将来確実に受け取ることが見込まれる場合は対象。退職金は賃金の後払いの性質)。 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/rikon-bunyo-005.html 。2026-07-01確認
    3. 法テラス(日本司法支援センター)よくある相談「ローンが残っている住宅も、財産分与の対象とすることができるのですか?」(対象にできるが、オーバーローンなら価値ゼロで単独では対象外。名義変更後も債務者は変わらず競売のおそれ等の注意)。 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/rikon-bunyo-004.html 。2026-07-01確認
    4. 共有財産・特有財産の考え方の根拠:民法762条(夫婦の財産の帰属・特有財産)、民法768条(財産分与)。e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 。あわせて法テラス「財産分与」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/zaisanbunyo.html /「年金分割」 https://www.houterasu.or.jp/site/faq/nenkinbunkatsu.html 。2026-07-01確認
    5. 法テラス(日本司法支援センター)「サポートダイヤル 0570-078374」。経済的に余裕がない方への無料法律相談・弁護士費用立替(民事法律扶助、収入等の要件あり)。 https://www.houterasu.or.jp/site/soudanmadoguchi-houseido/support-dial.html 。2026-07-01確認
    6. 法テラス(日本司法支援センター)「離婚等請求事件 費用の目安」(立替制度を利用する場合の着手金・実費・報酬金の目安。収入等の要件あり。金額は目安で、成功の程度・事件の困難度により異なる)。 https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/rikonhiyo.html 。2026-07-01確認
  • ご注意:本記事は財産分与の対象範囲に関する一般的な情報であり、取り分の割合・具体的な金額・個別の法的判断ではありません。これらは家庭裁判所の算定や弁護士・税理士・FP等にご確認ください。住宅ローン・退職金・借金の扱いは個別の事情で大きく変わります。財産の調査・隠し財産が疑われる場合の対応も弁護士へ。引用した制度・公的情報は変わることがあるため、手続き前に各公式で最新をご確認ください。
  • 最終更新:2026-07-01

本記事は財産分与の対象範囲に関する一般的な情報であり、取り分の割合・具体的な金額・個別の法的判断ではありません。金額や割合は家庭裁判所の算定や弁護士にご確認ください。